フィンテックとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語です。
新しい技術を活用して、金融サービスをより効率的、便利、そして安価に提供することを目指す動きです。
金融再編の背景には、このフィンテックがさらに大変革を起こす理由になっている。
1988年からの金融再編とは?
金融再編では、合併・買収がすすむ。複数の金融機関が合併したり、あるいは他の企業が金融機関を買収することで、組織の拡大や強化を図る場合である。
バブル崩壊前の金融再編は、規模拡大を追求する金融再編によるポジティブな合併が多かった。しかしバブル崩壊後は、不良債権を抱えた金融機関が多数倒産し、ネガティブな合併が始まる。
ポジティブな合併の時代は、新しい金融機関が生まれつつ合併もすすんだため、預金取扱金融機関数は増える傾向だったが、バブル崩壊後のネガティブな合併時は全体の金融機関数は減少した。
フィンテックによる金融再編
フィンテックは、近年急速に成長しています。1990年代後半からの金融再編は、金融技術が変化し、金融というビジネスの形が変化したことがもたらしている。
フィンテックの技術は、あらゆる分野に影響をあたえているが、金融サービスの範囲にも様々なところに広がっている。
インターネットやスマートフォンの普及、ビッグデータの活用、人工知能(AI)の進歩など、これらの技術により、金融サービスはこれまで以上に多くの人に、これまで以上に簡単に提供できるようになっています。
ネット銀行の普及
金融再編によって生まれた最たる形がネット銀行である。ネット銀行は従来の銀行と違い、店舗を持つという概念が必要なくなった。
インターネットを通じて、預金や振込等すべての銀行業務ができるシステムを構築し、ネット上で通過を動かすことができる。
ではさらに金融におけるフィンテックの進展について具体的にあげてみよう。
支払・決済
モバイルによる決済が普及している。
モバイル決済(モバイルけっさい)とは、携帯電話やスマートフォンなどのモバイルデバイスを利用して、商品やサービスの支払いを行う方法を指します。
モバイル決済は日本の金融再編に大きな影響を与えている。日本では銀行が発達しているが、モバイル決済により銀行のATMを利用しなくても決済ができる。
そのため従来の銀行もモバイル決済の技術を取り入れ、銀行口座間でのモバイル決済が開始されている。
デジタル通貨
デジタル通貨の導入は、全世界の9割の国で検討されている。金属や紙でできた貨幣という概念はなくなり、そもそもの貨幣はデジタルの数字で管理する。
日本銀行は紙と金属で通貨を発行しているが、この作業がなくなり、デジタルで通貨を発行するのである。
デジタルによる決済はクレジットカード等でも利用されているといえるが、クレジットカードの支払いは最終的には貨幣を用いて行う必要があるものだが、デジタル通貨は貨幣を使うという概念を取り除いているため、貨幣なしで完結する。
暗号資産
デジタル通貨にも寄与している技術がブロックチェーンだが、暗号資産もブロックチェーンを用いたお金の価値が付与される。
古典的な資産の代表は「金」だか、金が金属現物であり、暗号資産はデジタルである。
銀行を通さず、国境を越えた支払いや送金ができるため、普及が進めば銀行ビジネスに大きな影響を与える。
日本やほとんどの国では暗号資産と法定通貨は別物として取り扱っているが、暗号資産を買ったり売ったりするのは、金と同じ法定通貨であるため、リンクしていることを考えれば今後金や法定通貨と同等の立ち位置を確立することは間違いないであろう。
法定通貨との大きな違いは、信用である。発行者が国であるのと、一企業や団体であるのとでは、破綻リスクの信用が大きく違う。
まとめ
日本のフィンテック業界は、伝統的な金融機関や規制との調和を図りながら成長しています。
ただし、他国に比べて規制が厳しいこともあり、一部の面で進展が遅れていると言われています。また、個人情報の保護やセキュリティに関する課題もあるため、これらの分野での発展には慎重なアプローチが求められています。