指定信用情報機関は、信用市場の安定と透明性を促進し、個人と法人の金融活動をサポートする重要な役割を果たしています。
もっと簡単に言うと、「金融機関がローンの審査のときに照会するときに利用する機関」です。
クレジットカードの申し込みをしたとき、一時的に資金が不足してお金を借りたいとき、申込者の今の金融の利用履歴を確認するために指定信用情報機関が利用されます。
指定信用情報機関とは
指定信用情報機関とは、一定の要件を満たすことを条件に内閣総理大臣により指定された信用情報機関です。
日本では、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つが指定信用情報機関として指定されています。
個人の信用情報を収集・保有・提供する機関である、信用情報機関にストックされている具体的な情報としては、クレジットカードやローンの利用状況、支払い実績、延滞情報、債務整理情報などが記録されています。
国から指定されている3つの信用情報機関は、貸金業法や割賦販売法に基づき、個人向け貸付けや割賦販売を行う事業者から信用情報を収集しています。
収集された信用情報は、他の事業者にも提供され、貸付けや割賦販売の審査などに利用されます。
指定信用情報機関の役割と業務
指定信用情報機関の役割は、貸付けや割賦販売における貸倒れのリスクを軽減し、健全な貸付け・割賦販売市場の形成に貢献することです。
指定信用情報機関の業務
指定信用情報機関は、主に以下の業務を行っています。
- 信用情報の収集
- 信用情報の保有
- 信用情報の提供
金融機関はローン契約をした顧客の情報を、指定信用情報機関に提供する義務があります。
提供される信用情報は、個人の氏名、住所、生年月日、電話番号、勤務先、クレジットカードやローンの種類や利用状況、支払い実績、延滞情報、債務整理情報などが含まれます。
そして信用情報の保有は、収集した信用情報を、法令に基づいた一定の期間、保管することです。
信用情報の提供は、貸金業法や割賦販売法に基づき、貸付けや割賦販売を行う事業者に、信用情報を提供することです。信用情報は、貸付けや割賦販売の審査などに利用されます。
指定信用情報機関の重要性
指定信用情報機関が取り扱う情報は、お金に関する様々な立場の人や企業の役に立っています。
信用の評価
信用情報機関が提供する信用情報と信用スコアは、個人や法人の信用評価に大きな影響を与えます。信用の良し悪しは、借入額や金利、雇用の有無などの条件に影響を及ぼすため、信用情報は金融取引やビジネスにおいて不可欠です。
リスク管理
金融機関や貸し手は、信用情報を利用して貸し倒れのリスクを評価し、リスクを最小限に抑えるための戦略を立てます。これにより、金融機関は貸し倒れリスクを軽減し、安定的な経営を実現します。
信用市場の効率性
信用情報機関は信用市場の効率性を向上させます。信用情報にアクセスできることで、個人や企業は適切な金融取引を行い、競争力のある金利や条件で融資を受けることができます。
総評
基本的に、指定信用情報機関の利用は消費者である資金需要者の生活を貸付による返済で苦しめないためのものです。
金融機関は資金需要者に資金を貸しすぎてしまわないため、一定の限度額を決め、それ以上の貸付をおこなうことができません。
その判定は審査によって決定され、その際に指定信用情報機関の照会をおこない、現状の金融情報を確認し、貸しすぎの防止に努めています。
同時に、「貸しすぎない」ということは金融機関のリスクを軽減することにもなります。
指定信用情報機関の開示制度
指定信用情報機関は、本人からの開示請求に応じて、信用情報を本人に開示しています。信用情報開示には、本人確認書類の提出が必要となります。
信用情報開示は、本人が自分の信用情報を確認したり、誤った情報が登録されていないかを確認したりするために利用できます。また、信用情報開示は、貸付けや割賦販売の申し込みをする前に、自分の信用状況を把握するためにも利用できます。
指定信用情報機関の利用手順
指定信用情報機関の利用手順は、基本的に以下のとおりです。
指定信用情報機関の開示請求書は、指定信用情報機関のホームページからダウンロードできます。
本人確認書類は、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、住民票の写しなど、公的機関が発行した書類が利用できます。
開示請求書を指定信用情報機関に郵送すると、指定信用情報機関から、開示書類が届きます。開示書類には、本人の信用情報が記載されています。
参考情報